Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
昨年度に引き続いて,有質量な可積分場の模型であるサインゴルドン模型における局所作用素のなす空間についての研究を行った. 有質量な二次元可積分場の模型における局所作用素は,形状因子と呼ばれる関数の列により記述される.特にサインゴルドン模型においては,各局所作用素に対応する形状因子が,deformed cycleと呼ばれる対称多項式の列により定まる.昨年度の研究では,deformed cycleのなす空間にパラメータqがq=√<-1>の場合の量子アフィン代数U_q(<sl>^^^〜_2)が作用することを示した.そこで自然な問題は,この空間がU_q(<sl>^^^〜_2)の表現空間としていかなるものかということであろう.今年度の研究ではこの問題に対する解答を得た(B.Feigin,神保道夫,柏原正樹,三輪哲二,E.Mukhin氏との共同研究):deformed cycleの空間は,U_q(<sl>^^^〜_2)のレベル1の最高ウェイト表現と,レベル-1の最低ウェイト表現のテンソル積の,適当な無限和を許すような完備化と同型である.さらに,この空間には物理学的な観点からは自然なフィルター付け{F_i}が入るが,このフィルター付けが定める各商加群F_i/F_<i+1>は,extremal moduleと呼ばれる表現論的に重要な加群と同型になる.以上の結果は,有質量な模型における局所作用素の空間が,共形場理論において「正則部分」と「反正則部分」と呼ばれる空間の混合であるという物理学的見解を数学的に説明するものである.また数学的な立場からは,extremal moduleを商加群として持つような表現空間とそのフィルター付けが,サインゴルドン模型における局所作用素という物理学的対象から得られるという点が非常に興味深い.
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