Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
量子制御とは,原子・分子の波動関数を制御することにより,原子・分子の量子状態を制御しようとする試みであり,量子論的であるミクロな系における物質制御に対して飛躍亭な進展をもたらすと期待されている、既に種々の手法が考案されており,実際に数多くの検証実験が行われている。また工業的な応用を見据えた実験も始まっており,その一つが量子制御による同位体分離実験である。 量子制御による同位体分離に適した手法の一つに,パルス波形整形法が考えられている。パルス波形整形法とは,レーザーパルスのもつコヒーレンスを利用して原子・分子の波動関数を量子干渉させることにより制御する手法である。パルス波形整形法による同位体分離を行うためには,Ti:S発振器のパルスエネルギーでは不十分であり,また工業的に要求される同位体分離の効率のためにレーザーの高繰り返し化が必要である。そこでTi:S増幅システムの開発を行った。 開発したTi:S増幅システムの特徴としては,(1)Ti:S結晶を60Kに冷却することにより熱レンズ効果を抑制した結果,共振器安定化および高平均出力化を達成し,中心波長を760nmに短波長化させることができた。(2)リング型共振器の採用により励起光と増幅光のモードマッチングの最適化を行うことができた。また45度S偏光反射ミラーを使用することにより広帯域化を達成することができた。(3)ペリクルビームスプリッターにより増幅過程における狭帯域化を補償できたので,広帯域化を行うことができた。以上の特徴により繰り返し1kHz,パルスエネルギー1.6mJ,帯域720-800nm,パルス幅50fsの高繰り返し・高平均出力・短パルスのTi:S増幅システムを開発に成功した。このレーザーシステムは,量子制御による同位体分離のみならず,幅広い化学反応実験や工業的な応用に期待することができる。
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