可逆的なDNA光連結反応を用いた遺伝子操作法の開発
Project/Area Number |
02J01119
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 成夫 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | DNA / 光連結反応 / 変異 / ビニルカルボン酸ウラシル / DNAナノテクノロジー / 可逆的 / 人工酵素 |
Research Abstract |
非酵素的に簡単な条件で、核酸を可逆的に連結し、切断させることができれば、遺伝情報を自由に編集でき、新たな機能を生み出すことができる。その反応を光で制御できれば、DNAナノテクノロジーや遺伝子治療に有効な手法となりうる。我々は、ligationを効率よく行う系を構築し、その反応を遺伝子工学などへ利用することを目指した可逆的なDNA光連結反応の研究を行ってきた。これまでに、DNA中に導入したビニル基を含んだ修飾塩基の光反応性を利用し、366nmの光照射によってtemplateに依存した光連結が定量的に達成でき、また、その結合は302nmの光照射で切断できる可逆的DNA連結法を構築している。今回、我々は、シクロブタン型の連結部位における反応性に着目し、可逆的DNA光連結反応を利用して、DNA中の任意のシトシンをウラシルに変異させる方法を構築した。生じたDNA中のウラシルは酵素で除去切断できるため、配列中の任意のシトシンでDNAを位置特異的に切断できる人工酵素や、光を用いて変異蛋白を合成できる方法として非常に興味深い。 まず、5-carboxyvinylU(^<CV>U)を光反応部位として含む5'-^<CV>UGCGTGTTTTCACGCAGCTCGTAGCCA-3'を合成し、^<32>Pでラベルした5'-TGGCTACGAGCCAACAAXAA-3'と枝分かれ型の二本鎖を組ませ、反応をポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析した。366nmで1時間光反応させたところ、80%の収率で連結生成物を得ることができた。次に90度で2時間加熱した後、302nmで1時間光反応させて、連結生成物を分裂させた。これをUracil-DNA glycosylaseで処理しアルカリ条件で加熱したところ、定量的な切断が行われたことを確認した。別途合成したDNAを同一条件で酵素・アルカリ処理したところ、同じ位置に切断バンドを確認した。また、この切断は、90度で加熱しなかった場合、あるいはUracil-DNA glycosylaseで処理しなかった場合には確認できなかった。従って、この結果は、90度で加熱することで、連結部位のシトシン残基が効率よくデアミネーションしてウラシルに変化し、短波長の光照射で分裂後、その変換されたウラシル残基が酵素によって切り出されたと結論できる。このシトシンをウラシルに変換する方法は、各反応において効率よく進行しており、また、ターゲットのシトシン残基を位置選択的にデアミネーションさせていることがわかった。さらに、酵素分解とマススペクトルの結果からも、連結部位においてデアミネーションが起こり、DNA中のシトシンがウラシルに変換していることを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
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