フィリピン海領域下におけるマントルの非弾性構造およびレオロジー
Project/Area Number |
02J01597
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
志藤 あずさ 京都大学, 防災研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マントル / 地震波 / 減衰 / 速度 / フィリピン海 / 非弾性 / レオロジー / フィリピン海北部 / 四国海盆 / 拡大軸 |
Research Abstract |
地震学的に観測される減衰及び速度構造の不均質の成因は、地球科学における主要な問題の一つである。 本研究では、観測された地震波の減衰異常と速度異常とを、非弾性及び弾性実験の結果から導かれた理論的関係によって評価することで、温度、含水量、化学組成の不均質、および部分融解の影響の分離を試みた。 フィリピン海北部下における上部マントルでは、速度の異常域が存在する、すなわち不均質が存在することがわかっている。これと比較するために、まず本研究では、地震波減衰の3次元構造の決定を行った。次に、本研究により求められた3次元減衰構造とWidiyantoro et al.[1999]による3次元速度構造の関係を、室内実験による結果と比較して評価し、不均質の成因を明らかにした。その結果、深さ200kmまでの浅部の低速度異常は、減衰異常から、温度、含水量の影響を考慮して予測されるそれよりもはるかに大きいことが明らかになった。これは、現在、大量の部分融解が生じているのではなく、度重なる部分融解によって化学組成の不均質が強くなったことを示唆している。一方300-350kmの深さにおいては、温度の影響はほとんどなく、含水量の影響が卓越しているとの結果を得た。この深さでは、通常のマントルの10-50倍程度の水を含んでいると推定される。 以上の結果は、長く続く沈み込みや活発な背弧拡大の歴史といったフィリピン海領域のテクトニクスと調和的である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)