Project/Area Number |
02J01773
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 美由紀 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | リグニン / 免疫標識法 / 分化中木部 / ラッカーゼ |
Research Abstract |
平成15年度は、リグニン生合成の最終段階であるモノリグノールの重合に関与するラッカーゼに注目し、その木化中細胞内分布を調べた。前年度中に作製した抗ラッカーゼ抗体を使用して免疫標識法を行い、活性染色法や分化中木部組織から分画して抽出した酵素液の活性測定と合わせ、ラッカーゼの分布について検討した。さらに、やはりモノリグノールの重合酵素である、ペルオキシダーゼの分布と比較することで細胞壁へのリグニン堆積過程に関する考察を行った。 ポプラ分化中木部において、ラッカーゼの標識は主に二次壁形成中の木繊維に観察された。標識された位置は、凍結切片上で活性染色によりラッカーゼ活性が検出された位置とほぼ一致した。高圧凍結・凍結置換固定により、非常に固定状態のよい試料を作製することができた。これを用いて免疫電子顕微鏡法を行い、細胞の分化進行に伴うラッカーゼ分布可視化し、その変化を追跡することができた。すなわち、二次壁形成初期の木繊維において標識はゴルジ装置、小胞体、あるいは小胞状の膜構造物上に観察され、細胞壁には見られなかった。壁形成が進行するに従い、細胞壁にも標識が現れ、最終的に標識は細胞壁のコーナー部二次壁最外層や複合細胞間層付近に集まって観察された。よって標識されたラッカーゼは二次壁形成の後期に二次壁の外層で働くと考えられる。一方、やはりモノリグノールの重合酵素であるペルオキシダーゼについては、アイソザイムのひとつが二次壁形成中木繊維の原形質膜上に存在することを、我々が同様の方法でこれまでに明らかにしている。これらの結果より、複数のモノリグノール重合酵素が細胞壁内でそれぞれが局所的に分布することが明らかとなった。それぞれの酵素が細胞壁へのリグニン堆積において限られた役割を持ち、リグニンの不均一な堆積に酵素の局在が関係する可能性が示唆された。以上の結果については論文にまとめ、現在投稿中である。
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