実物市場における仲介業者の市場形成・維持機能に関する研究
Project/Area Number |
02J01939
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
経済理論
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 一仁 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 実験経済学 / 仲介業者 / 計算機実験 / 強化学習 / 価格競争 / 曖昧状況下の意思決定 / 進化ゲーム理論 / (仲介業者による)価格競争 / マーケットシェア獲得競争 / リプリケータダイナミクス |
Research Abstract |
本年度はこれまでの研究で不足していた部分を補填する作業に従事した。具体的には、前年度までに実施・公表した経済実験(独占的仲介業者の価格形成実験・複占下の仲介業者の価格形成実験)における被験者の意思決定を再現するための計算機プログラム作成と計算機実験の実施・解析に従事した。プログラムは認知心理学に基づく強化学習モデルを使用し、被験者の実験中の行動と比較した。市場実験内の被験者の行動解析に強化学習モデルが使用された例は少ない。分析の結果、強化学習モデルは、他の行動原理(ランダムな意思決定、最適反応に基づく意思決定)と比較すると、被験者の意思決定により近く振る舞うことが明らかになった。一方で被験者の行動原理を再現しない点が多いことも明らかになった。例えば、被験者の多くは需要と供給を一致させるような価格を選択したが、強化学習モデルでは、そのような基準を明示的に用いた価格選択が行われなかった。よって、一般性を保ったまま、実験中の被験者の行動をより忠実に再現する強化学習モデルを構築することが今後の課題である。この研究については2005年3月に開催される進化経済学会で報告し、討論者から方向性についてはおおむね高い評価を得た。 次に、昨年度まで実施していた研究のうち、仲介業者の価格競争に関する実験研究を様々な学会(ISAGA2004、ESS2004)で報告した。特に2004年12月に開催されたESS2004では、本実験研究について実験経済学の大家の1人であるダニエル・フリードマンから有益な示唆を受けた。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)