双安定性複核錯体モジュールを用いた高次元錯体集積体の構築
Project/Area Number |
02J01977
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 勝紀 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 錯体化学 / 複核 / 金属間結合 / 電子構造 / 置換基効果 / 異性化 / カチオン効果 / 酸化状態 / 遷移金属 / カテコラート / 非局在化 / 複核錯体 / ルテニウム / ロジウム |
Research Abstract |
本研究では、カテコラート誘導体を配位子として用い、金属間に直接結合を有する複核錯体の合成及びその性質に関する研究を展開してきた。その研究成果は以下に要約される。 1)大きなアニオン場の形成による非架橋型金属間結合の安定化 配位子による架橋構造をもたない非架橋型の金属間結合は架橋型構造と比較して不安定であるが、本研究では2-の電価を有するカテコラートを配位子として用い、二核金属コアの周りに大きなアニオン場を形成することで非架橋型金属間結合を安定化できることを明らかにした。更に、これまでに報告されていない7+の酸化状態の非架橋型二核コアの合成、単離及び単結晶構造解析に成功した。この化合物はキラルな空間群を有するのみならず不対電子をもつことから、磁場制御が可能な特殊な非線形光学材料素子となることが期待される。 2)非架橋型金属間結合の柔軟性の証明 非架橋型金属間結合が配位子の置換基の電子的効果及び立体的効果を受け、合理的に結合長及び結合のねじれを制御できることを明らかにし、架橋型の金属間結合よりも高い構造柔軟性を有することを明らかにした。 3)カチオン依存性によるHOMO-LUMO準位の制御 本研究の対象となる錯体はアニオニックな二核構造とカウンターカチオンから成る。種々のアルカリ金属カチオン及び非配位性カチオンを有する二核錯体を合成し、溶液状態におけるカチオン依存性とその溶媒効果を1H-NMR測定及び電気化学的測定をもとに明らかにした。 4)可逆的な異性化の制御とスイッチング分子の開発 物理刺激及び化学刺激を併用することで、化合物の可逆的異性化の制御に成功した。これらは幾何構造の変化に伴い吸収スペクトルや酸化還元特性が変化する他、1H-NMR測定における顕著な化学シフトの変化からルテニウムイオン間の三重結合がもつ大きな磁気異方性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)