平面内細胞極性の形成:7回膜貫通型カドヘリンが制御するシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
02J02022
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島田 裕子 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 平面内細胞極性 / ショウジョウバエ / 極性輸送 / 上皮細胞 / 透過型電子顕微鏡 / 7回膜貫通型カドヘリン / Frizzled / Flamingo / 透過電顕 / 免疫電顕 / 微小管 / 経時観察 |
Research Abstract |
多くの上皮細胞は、頂部基部軸に沿った極性の他に、それとは直交する平面内に第2の極性・平面内細胞極性(planar cell polarity, PCP)を発達させる。ショウジョウバエの翅表皮においては、個々の細胞の遠位端にアクチン線維が集合し、一本の翅毛を形成する。翅毛は常に遠位側に向かって伸長する。 PCP制御分子群に属する7回膜貫通型レセプターFrizzled(Fz)およびFlamingo(Fmi)は、翅毛形成に先立って、細胞の遠近軸方向の境界に一過的に分布する。いくつかの実験結果から、これらの偏りがPCPに重要であることが示唆されていた。そこで、我々は、これらの極性制御分子群の偏りが生み出される機構を探るために、GFP融合タンパク質Fz::GFPを生細胞で可視化し、particle様シグナルの挙動を経時観察した。興味深いことに、Fz::GFP particleは、Fzが遠位側境界に偏り始める時期特異的に、遠位側境界に偏って移動することがわかった。 次に、Fz::GFPの極性輸送を駆動する細胞内装置を探す目的で、透過型電子顕微鏡を用いた解析を行った。翅表面に水平な方向で超薄切片を作製したところ、接着構造(adherens junction, AJ)を含む平面に微小管構造が顕著に観察された。さらに、その微小管の配向が遠近軸方向に偏っていたことから、Fz::GFP particleが微小管に沿って遠位側境界に偏って運ばれるのではないかと予想された。この仮説を支持する結果として、免疫電顕においてFmiシグナルを含む脂質2重膜小胞が微小管に接している像が観察された。さらに、薬剤によって微小管を破壊したところ、FzやFmiの細胞内分布は顕著に乱され、翅毛の一部は細胞の中央で形成された。この表現型は、FzやFmi機能喪失細胞とほぼ同じであった。以上の結果から、遠近軸に沿った微小管ネットワークが、FzやFmiの細胞内分布を制御することでPCP形成に寄与することが強く示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)