Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
(1)太陽光を有効利用に利用できる光触媒の設計には光触媒材料のエネルギー構造の制御が不前欠である。今回,半導体のエネルギー構造制御のための構成元素として銀と同族である銅に着目した。とくに銅(I)では,d^<10>電子配置をとるため光励起した電子・正孔の再結合中心として働きにくいことが期待される。そこで,ニオブ酸銅やタンタル酸銅など銅(I)を含む酸化物を合成し,その光物性および光触媒活性について調べた。その結果,銅(I)イオンを含む酸化物のバンドギャップは,いずれも3eVよりも小さく,可視光領域に強い吸収帯を持っていることがわかった。これらの酸化物を用いて,メタノール水溶液からの水素生成反応および硝酸銀水溶液からの酸素生成反応を行うことで光触媒活性を評価したところ,活性が全く見られなかった。今後さまざまな銅(I)を含む酸化物の光物性,光触媒活性を調べることで新規の可視光応答性光触媒の開発が期待される。 (2)可視光照射下での水の完全分解反応実現のための手段として,水素生成光触媒と酸素生成光触媒を組み合わせた2光子過程の光触媒系の開発が考えられる。そこで今回,2種類の光触媒間の電子伝達系として,遷移金属イオンの酸化還元対を検討した。その結果,白金を担持したロジウムドーピングチタン酸ストロンチウムが,鉄(II)イオンを電子供与剤として用いた場合でも水素生成反応に対して活性であることがわかった。一方,バナジン酸ビスマスおよびモリブデン酸ビスマスが鉄(III)イオンを電子受容剤として用いた場合でも酸素生成反応に活性であることがわかった。これら水素生成光触媒と酸素生成光触媒を鉄(III)イオンを含む水溶液に一緒に懸濁させて可視光を照射したところ,水素と酸素が2:1の量論比で定常的に生成した。このように,2光子過程の光触媒系を用いた可視光照射による水の分解反応に成功した。
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