トランスジェニックマウスを用いた体細胞突然変異誘導に関与する要素及び要因の解明
Project/Area Number |
02J02130
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
寺内 亜希子 東京理科大学, 生命科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 体細胞突然変異 / トランスジェニックマウス / IgH鎖 / 抗体タンパク質発現 / B細胞分化 / 抗体タンパク発現 |
Research Abstract |
体細胞突然変異は抗体の多様性獲得機構のひとつである。しかしこの分子機構、特にIgH鎖遺伝子の3'エンハンサー(3'E)の体細胞突然変異発現における役割は明らかではない。我々は、体細胞突然変異の高頻度な発現に寄与するシス領域をトランスジェニックマウスを用いて解析した。用いた3種類のIgH鎖導入遺伝子はプロモーター、VDJ遺伝子、イントロンエンハンサー、C遺伝子を共通にもち、3'Eの構造は1)3'Eのないもの、2)3'EのHS1とHS2のみのもの、3)3'Eを総て(HS1,HS2,HS3b,HS4)もつものである。これら導入遺伝子はC領域としてヒトCμ遺伝子を、またB細胞分化を考慮し膜貫通領域はない。その結果HS3bもしくはHS4が体細胞突然変異を誘導するシス領域であった。 次にこのトランスジェニックマウスを用いて分泌型IgH鎖が及ぼすB細胞分化と抗体遺伝子発現への影響を検討した。その結果IgH鎖導入遺伝子由来のm-RNAは確認できたが、そのタンパク発現はpre-B細胞段階から抑制されていた。このB細胞分化は、サロゲートL鎖欠損マウスのそれと類似していることから、分化のスタート時点で分泌型IgH鎖を持つB細胞は、おそらくサロゲートL鎖と複合体を作り、pre-B細胞段階でのBCR発現を阻害しているものと推測できる。またこのトランスジェニックマウスにNP-CGGを頻回免疫して得られた脾臓B細胞のハイブリドーマにおける、在来もしくは導入遺伝子由来のIgH鎖タンパク及びm-RNAの産生能の解析によると、在来遺伝子由来のm-RNA及びタンパクの産生がみられたが、導入遺伝子由来のm-RNAは産生されているにもかかわらず抗体タンパク発現はほとんど抑制されていた。 このことから骨髄分化段階での厳しい選択から逃れたB細胞が、抗体産生段階でのB細胞クローン集団を形成していると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)