Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
バリスター素子として利用されているSb_2O_3を添加したZnOの結晶境界の観察を高分解能HAADF STEM法を用いて行った.二方向から撮影された高分解能HAADF STEM像によると,境界部分の単原子層のみに明るいコントラストが得られ,原子番号の大きいSb原子が境界部分に極めて局在して析出していることが確認された.計算機シミュレーションを用いてより詳細に結晶境界の構造を解析したところ,一つの方位では結晶境界に約33%のSb原子が存在していることが解った.さらに,それと垂直な方向である入射方向で撮影された高分解能HAADF STEM像においても同様の解析を行ったところ,二つのZn原子のみから構成される原子柱と一つのSb原子のみから構成される原子柱が周期的に繰り返されている構造であることがわかった.これらの結果より形成される結晶境界はZn_2Sb単原子層からなる反転境界であることが解った. また,SrTiO_3にSr,Ca,Ba等を添加した際に生じる面欠陥の構造決定及び組成分析を行った.不純物を添加することによって生じる面欠陥は逆位相境界であることが高分解能HAADF STEM像より明らかになった.さらに,それぞれの添加不純物の濃度を計算機シミュレーションとの比較から原子レベルで定量測定したところ,SrとCaは境界層にのみ析出し,Baは結晶粒の部分にのみ析出することが明らかになった. これらの研究成果は学術論文として海外の雑誌に3編掲載された.さらに,国際学会において口頭発表2件,ポスター発表1件,国内学会において口頭発表8件をそれぞれ発表している.
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