セラミド類縁体のアポトーシス誘導機構解析とその応用を目指して
Project/Area Number |
02J02166
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長原 礼宗 東京理科大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | セラミド / ミトコンドリア / アポトーシス / リン酸化 |
Research Abstract |
これまでに、セラミド・スフィンゴシンの構造類縁体であるFTY720は、細胞小器官の一つであるミトコンドリアに直接作用し、T細胞選択的にアポトーシスを誘導すること、そしてその細胞選択性はミトコンドリア局在抗アポトーシス蛋白質であるBcl-2の量の細胞間での違いに起因していることを明らかにしてきた。本年度は、以上のFTY720のアポトーシス誘導経路をふまえ、FTY726と構造が類似した各種セラミド及びスフィンゴシン類縁体によるアポトーシス誘導について、その誘導効果と経路を解析した。 各種セラミド及びスフィンゴシン構造類縁体をT細胞白血病Jurkat細胞に作用させた結果、スフィンゴシン構造類縁体、その中でもフィトスフィンゴシンが高頻度にアポトーシスを誘導した。逆にセラミド構造類縁体はアポトーシス誘導能が低かった。そこで、フィトスフィンゴシンによるアポトーシス誘導経路をFTY720のアポトーシス誘導経路と比較して検討した。その結果、フィトスフィンゴシンはFTY720と同様に、ミトコンドリアに直接作用し、膜電位の低下及び細胞質へのチトクロムcの放出といったミトコンドリア傷害を引き起こし、カスパーゼを活性化させてアポトーシスを遂行させていた。また、FTY720は生存シグナルに関与する蛋白質、Aktの活性を低下させてアポトーシス誘導能を増強させることを以前明らかにしているが、フィトスフィンゴシンもFTY720と同様にAkt活性を低下させていた。 本研究から、スフィンゴシン構造類縁体であるフィトスフィンゴシンやFTY720はミトコンドリアに直接作用してアポトーシスを誘導することを初めて明らかとした。このことから、スフィンゴシン構造類縁体はアポトーシスの強力な誘導薬として医薬応用できる可能性が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)