シグナルクロストークによる神経系細胞系譜制御のエピジェネティックアプローチ
Project/Area Number |
02J02335
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
滝沢 琢己 群馬大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 神経上皮細胞 / 分化 / サイトカイン / シグナルクロストーク / エピジェネティクス / 神経細胞 |
Research Abstract |
神経発生過程には細胞内外の種々の因子が関与していることが分かってきている。本研究では、ニューロンおよびアストロサイト分化に深く関わる複数の因子の関わりあい(シグナルクロストーク)の解明に取り組んだ。 1)Notch信号伝達系と骨形成因子(bone morphogenetic protein:BMP)信号伝達系のシグナルクロストーク NotchおよびBMP2は全く異なるシステムを利用しでいるが、双方とも神経発生に重要な役割を果たしている。申請者らは、マウス未分化神経上皮細胞において、Notch標的遺伝子Hes-5、Hesr-1の転写がBMP2刺激が加わることで、相乗的に活性化されることを見いだした。これら遺伝子はBMP2単独刺激では発現せず、Notch信号伝達系を同時に刺激した際にNotch細胞内ドメインとBMP2の下流で活性化される転写因子Smadが、転写共役因子に介在される複合体を形成することで相乗的に転写活性化されることが分かった。 2)核内因子c-ski発現による神経分化制御 TGF-β転写活性の抑制因子c-skiは、発生段階の脳内において未分化伸経細胞およびニューロンに強発現している。マウス神経上皮紳胞にc-skiを強制発現すると、アストロサイト分化を抑制する一方でニューロン分化を促進した。c-skiは、サイトカインによる転写因子STAT3とSmad活性化を介したアストロサイト特異的遺伝子の発現を、両転写因子と直接会合することで抑制した。さらにc-skiはニューロン分化抑卸機能を有する抑制性basic helix-loop-helix(bHLH)の発現誘導を抑制し、ニューロン特異的bHLHの蛋白分解を阻害することでニューロン分化を促進した。c-skiは胎生期脳内においてアストロサイト分化を抑制する一方でニューロン分化を促進している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)