クエン酸代謝系遺伝子の多重組換えによる酸性土壌耐性植物の作出
Project/Area Number |
02J02521
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木原 智仁 岐阜大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | クエン酸代謝 / クエン酸放出 / 遺伝子組換え / 酸性土壌耐性 / クエン酸放出能力 / 多重組換え |
Research Abstract |
クエン酸放出能力強化による酸性土壌耐性植物の分子育種を目的とした研究において、今年度以下2点の成果を得た。 1.クエン酸の分解に関与しているNADP特異的イソクエン酸脱水素酵素(NADP-ICDH)の発現をRNAi法により抑制させたイネ組換え体を作製した。得られた2つのラインのNADP-ICDH活性は野生型の約30%に抑制されていた。これらの組換え体は野生型と比較して難溶性リン酸をリン給源とする培地における生育を改善させていた。このとき、組換え体は野生型と比較して多量のクエン酸を放出しており、このことによる難溶性リン酸の利用効率上昇が生育改善につながったと考えられる。これらのことは、NADP-ICDHを発現抑制することで植物のクエン酸放出能力を強化できることを示唆している。この成果に関して、和文誌に投稿済み(印刷中)であり、また英文誌への投稿準備中である。 2.低リン酸耐性遺伝子群の獲得を目指して、クエン酸放出能力の極めて優れているニンジン変異細胞を材料としてcDNAサブトラクションを行った。これにより約500クローン(cDNA断片)を得たが、ディファレンシャルスクリーニング法により変異細胞において転写レベルが増加しているであろうcDNA断片を90にまで絞り込んだ。これらの中には転写調節タンパク質(転写因子)がいくつか含まれており、これまでに明らかにしてきたいくつかの低リン酸耐性遺伝子群の転写レベルの変動はこれらの転写因子が関与しているかもしれない。しかし、ほとんどは既報の配列とマッチしないものであった。現在、RACE法により未知領域を獲得しそれらの機能を予測するとともに、cDNAサブトラクションライブラリーの中から変異細胞のクエン酸放出レベルに影響を与える遺伝子の探索を行っている。 なお、昨年度得たシロバナルーピンの研究成果に関して今年度英文誌に発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)