Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
蛋白質生合成は,非常に精度の高い反応であり,その終結過程後に残るリボソーム複合体は,リボソームリサイクリング因子(RRF)と伸長因子Gによって分解され,次の翻訳開始過程へと再利用される。一方でRRFは,リボソームによる誤翻訳の防止にも機能している。このRRFについて,主に大腸菌温度感受性遺伝子変異株を用いて検討を行った。温度感受性RRF遺伝子変異株において培養温度を42℃へ上昇後、直ちにRRFの分解が起こり,リボソームが終結コドンから遊離できずその終結コドンの下流の誤翻訳が起った。これらリボソームの一部はmRNAの3'末端に到達するが、その3'末端での蓄積は起こらず、むしろ細胞内には70Sリボソームとして蓄積していた。これら蓄積したリボソームは,MS2ファージRNAやompA mRNAを鋳型としたin vitro翻訳反応に対して活性が認めらなかったが,このことは細胞全体の蛋白質生合成が短時間で停止したことと一致した。蛋白質生合成の停止後,転写、DNA複製の順で停止していた。一方,この高温に曝した温度感受性RRF変異株から得た抽出液は,poly(U)を鋳型としたin vitroポリフェニルアラニン合成に対しては野生型と同程度の活性が認められた。また,5'末端に開始コドンを持つleaderless mRNAは70Sリボソームにより翻訳開始されることが知られているが,このleaderless mRNAであるλファージcI repressor mRNAを鋳型としたin vitro翻訳系に対しても,温度感受性RRF遺伝子変異株抽出液の活性が認められた。さらに,このcIとlacZとの融合蛋白をコードするプラスミドを持つ温度感受性RRF遺伝子変異株を42℃へ曝してその合成能を調べたところ,RRF不活化においては,leaderless mRNAが選択的に翻訳されることが明らかとなった。
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