ヤマガラにおける体サイズに応じた子の性比調節の適応度利益の実測
Project/Area Number |
02J03044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生態
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山口 典之 立教大学, 理学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 性比調節 / 島嶼個体群 / ナミエヤマガラ / 捕食 / 生活史形質 / 表現型変異 / 性比 / ヤマガラ / 島嶼 / 適応度利益 / 鳥類 / 資源保有能力 |
Research Abstract |
昨年度までの研究を継続し、3月下旬から6月上旬まで、東京都神津島村にて野外調査を行った。島内に巣箱を約100個設置し、ヤマガラ(亜種ナミエヤマガラ)の繁殖パラメータを記録した。また、両親、子を捕獲、計測し、DNA抽出のために、血液を採取した。 本種は外部形態より性別の判定ができないので、DNAレベルで性を判定した。今年得たサンプルに加え、昨年までのサンプルもあわせ、本種で適応的性比調節が行われているか解析したところ、予想に反し、そのような傾向は見られなかった。本種の別個体群における研究では、つがった雄の体サイズに応じた性比調節が確認されている。そのため、この種で、性比調節に関して致命的な生理的制約が存在するとは考えにくい。なぜナミエヤマガラでは性比調節が行われないのかを、今後は解明する必要がある。 研究課題とは別に、副産物として、島嶼に生息する本亜種に関して、非常に興味深い生態的特長が明らかになった。本個体群では、ヘビによる繁殖巣への捕食圧が極めて高い。そのため、本州に生息する亜種と比較して、さまざまな点で生活史形質に差異が確認された。主な特徴として、少ない卵数、長い抱卵期、短い育雛期が挙げられる。これらの形質は、高い捕食圧への適応であると考えられた。次に、本亜種では、羽色(特に頬の体羽)の表現型変異が極めて高い。これは、他の亜種には見られない特徴である。高い表現型変異を説明する仮説として、浸透交雑や近親交配などが考えられる。以上の二点に関しては、すでに学術雑誌に論文を投稿済みであり、現在暫定的受理の段階である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)