多原子系のための結合の組替えを許す新しい分子動力学法の開発
Project/Area Number |
02J03287
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
辰村 光介 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 分子動力学法 / 酸化膜 / シリコン界面 / X線回折 / 原子間ポテンシャル関数 / 熱酸化 |
Research Abstract |
1.分子動力学計算用の、多原子系のための結合の組替えを許す新しい原子間ポテンシャル関数である、ダイナミックボンドポテシシャルを開発した。結合手の数が、1本、2本、4本と異なるH,0,Siを含む系用のポテンシャルのパラメータを決定した。そのポテンシャルを搭載した、分子動力学計算プログラム(能勢-Hoover形式の温度制御アルゴリズム、Parrinello-Rahmanの圧力制御アルゴリズム、を使用可能)を完成させた。本手法により、結合手の数が3本のNを含む系も扱うことが可能であり、現在ポテンシャルパラメータを決定している。従って、当初予定した酸窒化膜/Si界面構造のモデリングを行うには至らなかったが、既存のSi_2O系のポテンシャルを使用し酸化膜/Si界面構造のモデリングを行い、以下の成果を得た。 2.昨年度に、SiO_2/Si(001)界面構造の大規模なモデリングを行い、熱成長SiO_2膜は完全には非晶質ではなく、元の結晶Siの残余秩序を保持していることを明らかにした。本結論は、これまで非晶質と考えられてきた熱成長SiO_2膜の描像を変える革新的な知見である。本年度は、この研究に関する袖強計算を行い、その結果も含めて、成果を学術論文にまとめた。(Phys.Rev.Bに掲載) 3.成膜温度と成膜後の熱処理によって熱成長SiO_2膜の構造が如何に変化するかを、大規模な構造モデリングとX線回折実験の両方で調べた。熱酸化膜からの回折ピークの位置と強度は、熱酸化膜の構造を非破壊且つ定量的に評価する新しい指標になり得ることを指摘した。熱成長SiO_2膜の熱履歴依存性を元の結晶Siの秩序の消失過程というこれまでにない視点から議論した。(JJAPに掲載) 4.SiO_2/Si(111)界面構造のモデリングを行い、SiO_2/Si(001)界面構造のモデリングの結果と比較した。Si(001)上とSi(111)上の熱成長SiO_2膜の残余秩序は、方向と周期において全く異なることを示し、熱成長SiO_2膜の基板面方位依存性について明確な理解を与えた。(JJAPに掲載) 5.上記の実績を踏まえて、最近注目を集めたSiO_2/Si(113)界面構造のモデリングを行い、X線回折特性やその他の構造特性を理論的に予測した。X線回折に関する理論予測の結果の一部を実験的に確認した。 6.熱成長SiO_2膜中の酸素分子と酸素原子の拡散過程の詳細を、第一原理分子軌道計算によって明らかにした。(JJAPに掲載) 7.圧縮SiO_2系に適応可能なSi,O混在系用原子間ポテンシャル関数を開発した。(Appl.Surf.Sci.に掲載決定)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)