Project/Area Number |
02J03549
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University (2002, 2004) Hokkaido University (2003) |
Principal Investigator |
東 克明 東京都立大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | EPR相関 / 共通原因の原理 / 因果 / 様相解釈 / ベルの不等式 / 相対論的場の量子論 / Dirac粒子 / 相対論的粒子 / 量子力学 / 解釈問題 / 測定問題 / ダイナミックス |
Research Abstract |
量子力学の非局所的相関(EPR相関)における因果関係についての研究を行った。これまで、EPR相関に対し、「共通原因の原理」(screen-off条件)に従う、相関の原因を要請すると、クラウザー・ホーンの不等式が導出され、その不等式は、スピン測定軸の然るべき設定のもとで、量子力学が与える予測と一致しない、といわれてきた。しかし、従来の見解には、二つの問題点がある。一つは、従来の見解が、量子的確率そのものをもつ事象が、古典確率空間の中に存在する、としていることである。もう一つは、スピン測定軸を変えることで得られる様々な相関全てに共通する、いわば共通の共通原因を、「相関の共通原因」として要請していることである。では、この二つの問題に適切に対処すると、EPR相関についての局所的共通原因モデルが構成されうるのだろうか。ます、一つ目の問題点に関しては、量子的確率を「スピンの…成分を測定する」という事象に条件付けられた確率として考えることによって、古典確率空間の中で表現することは可能である。では、そのような古典確率空間の中で、各々の相関それぞれについての共通原因を考えることはできるのだろうか。この問題について、次の結果を得た。どのスピンオブザーバブルを測定するのかと統計的に独立な共通原因(共通の共通原因ではない)さえ存在しない。実際、そのような非常に弱い意味での共通原因の存在を仮定したときでさえ、量子力学の予測と一致するモデルが存在しえないことが数学的に示される。その結果を、科学基礎論学会「秋の研究例会」において研究発表した。現在論文発表準備中である。
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