Project/Area Number |
02J03598
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | The Great Hanshin-Awaji Earthquake Memorial Disaster Reduction and Human Renovation Institution |
Principal Investigator |
福留 邦洋 財団法人阪神・淡路大震災記念協会, 人と防災未来センター・研究部, 専任研究員
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 阪神・淡路大震災 / 台湾集集地震 / 大量安定供給 / 需給調整 / 行政主導 / 民間活用 |
Research Abstract |
本研究では、阪神・淡路大震災と台湾集集地震における復旧・復興過程の比較から、復興の計画概念、策定方法など災害地域に関する相違点や共通点を明らかにすることに努めた。主に住宅問題を中心に整理すると次の通りである。 復旧期において、阪神・淡路大震災では住宅困窮者の大部分が避難所から仮設住宅に移動した。台湾集集地震では、仮設住宅、家賃補助、分譲型公営住宅への割引優先入居の選択肢が用意され、被災者の多くが家賃補助(最大2年間)を選んだ。 復興期において、阪神・淡路大震災では賃貸型公営住宅が大量供給された。一方、台湾集集地震では、民間住宅市場等への活用が考慮され、災害復興公営住宅の数は極端に抑えられ、発災から3年経過した現在でも入居は始まっていない。 これらの過程からうかがえることは、直後対応では迅速といわれた台湾も恒久住宅への移行を考えると決して日本を大幅に上回る時間経過ではないことである。災害時における日本の住宅対応が安定供給型を指向したことに対し、台湾は需給調整型といえる。前者は画一化され小回りがきかない反面、比較的短期間に大量供給が可能である。後者はより細やかな対応が可能であるものの、時間はかかる。このような違いが生じた理由として、日本は基本的に既存の法制度で対応したことに対し、台湾は発災後に多くの新しい制度が設けられたことがあげられる。 また日本は行政主導で進められたことに対し、台湾では民間団体など非行政組織の積極的活用という姿勢がよみとれる。これは中央政府と地方自治体との関係も影響していると思われる。 一方で、災害時に発生するいわゆる社会的弱者の対応を行政も担うべきとの考え方には違いはない。ただしその方向性が、日本では住宅供給などハード面に重点がおかれ、台湾では就業機会などソフト面にある。各機関のヒアリングでは、災害からの再建が、日本ではまず住宅であり、台湾では仕事という思想の違いであった。そして災害時における個人の財産補償への考え方も両者では異なることがうかがわれた。
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