Project/Area Number |
02J04016
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
多喜 正泰 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 二核銅酸素錯体 / フェノールの酸化反応 / ガラクトース酸化酵素 / 金属配位場の効果 / フェノキシルラジカル / 亜鉛プローブ |
Research Abstract |
金属-酸素錯体を用いたフェノールの重合反応は工業化学的立場からも非常に注目を集めている。今回、ピリジルエチルアミン系の2座および3座配位子を用いて調製したペルオキソ錯体とビス-μ-オキソ錯体によるフェノールの二量化反応機構の解明をした。それぞれの酸素錯体に各種フェノールを加えると反応は速やかに進行し、対応するフェノールの二量体を与えることが分かった。速度論的解析から反応は酸素錯体濃度および加えたフェノールの濃度に対しそれぞれ一次で進行することがわかった。各種フェノールとの反応の二次反応速度定数をフェノールの酸化電位に対しプロットすると、いずれの酸素錯体の場合にも直線関係が得られ、その傾きから反応は電子移動に続くプロトン移動で進行していることが判明した。 さらに、本研究ではガラクトース酸化酵素モデル錯体の物性や酸化還元挙動に及ぼす金属配位場の効果について検討した。ピリジン配位子の電子ドナー性が増大するにつれて金属中心のルイス酸性が減少し、フェノラート部位の酸化電位が負側にシフトすることがわかった。一方、一電子酸化体であるフェノキシルラジカル錯体においては金属配位場の変化による物性や反応性の違いはほとんど認められなかった。これは、ラジカル部位と金属イオンとの間の相互作用はフェノラート錯体に比べてかなり弱いことが原因であることが共鳴ラマンスペクトルの測定により明らかとなった。 さらに、細胞内における亜鉛イオンの挙動を新規に設計・合成したプローブにより追跡した。合成したプローブはベンゾオキサゾールを骨格として有しており、亜鉛イオン濃度の変化により蛍光の極大波長がシフトするという新しいタイプのものである。蛍光のシフトは亜鉛イオンに特異的であり、その感度はナノMレベルであることがわかった。本プローブは実際に細胞内の亜鉛の濃度変化を感知することが出来、海馬やすい臓のβセル内の亜鉛イオン検出にも成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)