キノン類による腸内細菌代謝制御法の開発と関連反応の有機化学的モデル化による解明
Project/Area Number |
02J04024
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山崎 眞一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | Oxygen metabolism / Tyrosinase / Model chemistry / Phenol oxygenation / Catechol oxidation / Hydrogen Peroxide / Oxygen complex / Type 3 copper |
Research Abstract |
本年度(平成14年度)は、研究計画のうち主に「キノン類が関与する細胞内酸化還元反応の有機化学的モデル化による解明」について研究を行なった。本研究課題の目的である戦略的エネルギー代謝制御を行うためには、キノン類が関与する酵素の詳細な反応機構を有機化学的に理解することが非常に重要である。申請者らは、このような観点から、酸化還元酵素の中でもタイプ3二核銅中心を有するチロシナーゼに注目した。チロシナーゼは、フェノール・カテコール・キノンが関与する反応を触媒することで、細胞内酸化還元反応に対して重要な役割を持つ。本年度は、このチロシナーゼ反応の反応機構をモデル化学的手法によって有機化学的に理解した。得られた情報から、この反応に基づいた代謝制御法の可能性について検討した。 チロシナーゼ反応の解析においては、フェノール酸化と後続反応であるカテコール酸化とを分離することが必須である。本研究では、ホウ酸緩衝液を用いて反応系を最適化することによりこの分離を行い、チロシナーゼによるフェノール酸化が芳香族求電子置換反応で進行することを示した。得られた情報はフェノールやキノンを使った代謝制御法の開発にとって有用なものである。一方で、過酸化水素とチロシナーゼとの反応に関しても検討を行い、チロシナーゼのカタラーゼ活性を初めて評価することができた。この結果はタイプ3銅タンパク質の特性を探る上で重要であるばかりでなく、チロシナーゼが潜在的な酸素毒を除去できる可能性を示しており、生理学的にも興味深い。これらの成果は日本化学会第83年会において口頭発表し、かつ、現在投稿を準備している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)