Project/Area Number |
02J04313
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鈴木 智之 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 大腸ガン / トロンボキサンA_2 / KCNQ1 / トロンボキサン合成酵素(TXS) / NF-E2 |
Research Abstract |
昨年までの報告で、ヒト大腸ガン組織においてトロンボキサン合成酵素(TXS)の発現が増加し、TXSにより産生されるトロンボキサンA_2(TXA_2)が細胞増殖を促進することを示した。本年度は、TXA_2がどのような機構で大腸ガン細胞の増殖を促進するかを検討した。 はじめに、大腸ガン培養細胞において、TXA_2安定アナログ(STA_2)により遺伝子発現が変化するかについてDNAマイクロアレイ(約1万種類の遺伝子)を行ったが、顕著に変化する遺伝子は検出されなかった。最近、細胞増殖におけるK^+チャネルの生理機能が注目され、特に大腸ガン細胞においては電位依存性のK^+チャネルが細胞増殖に関係していることが報告されている。本研究では、大腸クリプト細胞の基底側膜に発現している電位依存性K^+チャネル(KCNQ1)に着目し、TXA_2による細胞増殖に関係しているかを検討した。STA_2により大腸ガン培養細胞のKCNQ1蛋白質発現が増加し、STA_2による細胞増殖がKCNQ1阻害剤(chromanol 293B)で抑制された。また、パッチクランプ法により、大腸ガン培養細胞(KM12-L4)におけるK^+電流は主にKcNQ1によることも示した。さらに、TXSと同様に、大腸ガン組織でKCNQ1蛋白質発現が増加していた。これらのことから、TXA_2の細胞増殖にKCNQ1が関与していることが示唆された。本研究によりTXA_2によるKCNQ1の発現増大が大腸ガンに関与するという新規メカニズムが明らかになった。 また、本研究で、Na^+,K^+-ATPase α_1アイソフォームが大腸ガン組織で減少し、α_3アイソフォームは増加することを発見した。Na^+,K^+-ATPase活性は、正常組織とガン組織の間で大きな差はなかった。したがって、大腸ガン組織ではα_1の活性をα_3が補っている可能性が考えられた。
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