大脳皮質一次視覚野の刺激文脈依存的活動調節とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
02J04388
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾関 宏文 大阪大学, 健康体育部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 大脳皮質一次視覚野(V1) / 外側膝状体(LGN) / 機能構築 / 刺激文脈依存性 / 刺激特徴選択性 / 順応 / 膜電位 / 細胞内記録 / 受容野周囲抑制 / 皮質内抑制 / ビククリン / スパイク時系列相関解析 / 大脳皮質一次視覚野 / 視野統合 / 皮質水平結合 |
Research Abstract |
大脳皮質一次視覚野(V1)のニューロンは、受容野刺激に対する応答が受容野周囲に呈示した刺激によって抑制性の反応修飾を受ける。この刺激文脈依存的反応修飾は、方位や空間周波数といったV1の刺激特徴選択性と密接な関係があり、視床外側膝状体(LGN)で生じる方位に依存しない周辺抑制が、V1内ネットワークによって方位選択的に増強され方位依存的周囲抑制が形成されるメカニズムが示唆された。以上の結果はJ.Neurosciに公表された。 同様なメカニズムによる現象として順応が知られている。これは、ある方位や空間周波数の縞のテスト刺激に対する応答は、その直前に呈示された縞刺激(順応刺激)の方位や空間周波数に依存して反応が減弱する。つまり、方位や空間周波数が類似の刺激をテスト刺激として呈示したときほど反応減弱が顕著に見られる。しかし、この順応のメカニズムとして、皮質内ネットワークによるものではなく、個々の細胞のカリウムチャネルの性質が原因であると考えられている。順応刺激によって膜電位が過分極側にシフトすることによってテスト刺激による入力が引き算されていることが報告されている。しかし、このメカニズムだけでは刺激特徴に依存した反応減弱を十分に説明できない。 そこで、刺激文脈依存的反応修飾が皮質内ネットワークによって刺激特徴選択的な反応抑制が形成されるメカニズムを明らかにすべく、順応刺激を用いて実験を行った。麻酔下のネコV1から細胞内記録法により、膜電位応答とスパイク応答を記録した。本実験について、LGNから直接入力を受ける細胞群と皮質内入力を主として受ける細胞群で順応刺激による影響がどのように異なるかを調べ、後者で方位依存的な順応刺激の影響を示す予備的なデータを得た。このことは細胞内メカニズムだけでは説明できないことを示唆している。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)