Project/Area Number |
02J04495
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 真治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 多価イオン / 固体電解質 / リン酸塩 / ナシコン型 / イオン伝導 / プラセオジムイオン / セリウムイオン |
Research Abstract |
固体中の伝導イオン種としては、1,2価のイオンがよく知られており、3価以上のイオンは強い静電気的相互作用が働くため、固体中を伝導することは困難であるとされてきた。これまでに3価イオン伝導体としては擬似層状構造を持つタングステン酸塩(M_2(WO_4)_3(M:Al,Sc,Y,Er-Lu)が報告されているが、これらは6価のW^<6+>イオンが還元されやすいため、実用化することが困難であった。また、化学的安定性に優れるR_<1/3>Zr_2(PO_4)_3リン酸塩に関しても3価イオン伝導が報告されており、多価イオンも固体中を伝導できることが明らかになっている。しかしながら、R_<1/3>Zr_2(PO_4)_3リン酸塩の伝導性は低く、多価イオン伝導体の実用化を考えると、さらなる伝導性の向上ならびに新規な伝導イオン種の探索が必要である。 そこで本研究では、還元されにくく、高いイオン伝導性を有する新規な多価イオン伝導体としてイオン伝導に適したナシコン型構造を有し、リン酸塩を母体とする新規な超イオン伝導体の開発を行った。 これまで電子伝導が発現するために伝導イオン種としては不適当であると考えられてきたプラセオジムイオン(Pr^<3+>)を選択し、また、プラセオジムイオンが安定に3価の状態を持つことが知られているリン酸塩に着目し、3価のPr^<3+>イオン伝導体の開発を行った結果、NASICON型構造を有する(Pr_xZr_<1-x>)_<4/4-x>Nb(PO_4)_3-NbPO_5コンポジットの開発に成功した。このものの導電率はこれまでに得られている3価イオン伝導体と比較すると100倍程度高い値であり、伝導イオン種は、電気分解によりプラセオジムイオンであることが明らかとなった。また、磁化率測定を含む種々の測定により、プラセオジムイオンは3価の状態で存在し、電子伝導も認められなかったことから、(Pr_xZr_<1-x>)_<4/4-x>Nb(PO_4)_3-NbPO_5コンポジットは、極めてイオン伝導性が高く、かつ、電子伝導を全く示さない純粋な3価のPr^<3+>イオン伝導体であることが分かった。
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