Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本年度は大きくわけて次の3つの研究を行った.3次元定曲率球面内のKirchhoff弾性棒について(昨年度に引き続いた研究),3次元双曲空間内のKirchhoff弾性棒について,そしてKirchhoff弾性棒の変分問題の外微分式系による定式化である. まず第一に,3次元定曲率球面内のKirchhoff弾性棒についてであるが,これについては昨年度よりJacobiの楕円関数及び楕円積分によるexplicitな表示式を得ており,閉Kirchhoff弾性棒になるための必要十分条件も得られていた.本年度はその条件を用いて,閉Kirchhoff弾性棒の非自明な例(閉螺旋ではない閉Kirchhoff弾性棒からなる滑らかな族)を構成した.そして昨年度より得られていた結果とあわせて,プレプリント"Kirchhoff elastic rods in the 3-sphere"にまとめて,2002年9月にTohoku Material Journalに投稿した. 第二に,3次元双曲空間内のKirchhoff弾性棒についてであるが,これに関しては,ある種の特別な曲面に含まれないという条件の下でJaoobiの楕円関数及び楕円積分によるexplicitな表示式を得た.この「ある種の特別な曲面に含まれない」という条件は不自然なものであるので,現在,この条件を外して全ての場合で表示式を得ることを試みている. 第三に,Kirchhoff弾性棒の変分問題の外微分式系による定式化について,筑波大学の守屋克洋氏と共同で研究を行った.これに関してはまだ具体的な結果は得ていないが,この定式化ができれば3次元空間形の場合に解がexplicitに求まる仕組みが明確に理解できるとともに,他の多様体内の場合への応用が期待できる.
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