Project/Area Number |
02J04538
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
医薬分子機能学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
國澤 純 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Drug Delivery System / 抗原プロセッシング / 抗原提示 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
SARSや鳥型インフルエンザをはじめとする新興・再興感染症が問題となっている昨今、遺伝子やペプチドを抗原として用いるワクチン療法が注目されている。免疫誘導能に優れたワクチンを創製するためには、抗原が適切な部位ならびに細胞へ送達されるだけではなく、送達された抗原が細胞内において適切にプロセッシングを受けた後、細胞表面でMHC分子を介して抗原提示されないといけない。抗原送達について我々はすでにDrug Delivery Systemを用いることで目的の抗原送達が可能で特に粘膜ワクチンへ応用可能なワクチンシステムを開発してきた。しかしながら後者の細胞内における抗原プロセッシングならびに抗原提示は十分に解明されたとは言い難いのが現状である。この分野における問題のひとつとして挙げられるのが、抗原プロセッシングの過程で生じる抗原中間体の検出が難しいことである。この問題を解決するために研究代表者らは生化学的な方法とT細胞ハイブリドーマ法を併せた抗原中間体同定法を開発した。本方法ではモデル抗原にニワトリ卵白アルブミン(OVA)を用いた。エピトープ(SIINFEKL)に含まれるのリジン(K)をヒスチジン(H)に変更し、エピトープのN末端とC末端のグルタミン酸(E)とスレオニン(T)をそれぞれリジン(K)に置換した変異型OVAを作製した。この3カ所の変異を導入することによりトリプシンとカルボキシペプチダーゼBの処理で変異型OVAから生じた中間体からエピトープが遊離し、特異的なT細胞ハイブリドーマと反応するようになった。さらに逆相HPLCを組み合わせることでそれぞれの中間体を個別に解析することも可能となった。 また研究代表者はこの変異型OVAを発現する細胞を作製し、細胞内での抗原プロセッシングを検出・解析した。その結果、抗原中間体の大部分はエピトープのN末端のみにアミノ酸が結合した形で存在しており、そのプロセッシングにはプロテアソームと呼ばれる酵素が関与していることを証明した。またこれらの抗原中間体はペプチド単独としては存在せず、シャペロンと呼ばれる分子と結合していた。そのうちの一つであるTRiCをsmall interference RNAでノックダウンすると、結合している抗原中間体が分解され、その結果、細胞表面での抗原提示が減弱する事が判明した。以上、研究代表者は変異型OVAを用いることで簡便に抗原中間体を解析できるシステムを開発し、細胞内におけるシャペロンの重要性を示した。
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