Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
三次元空間における視覚的注意に関して以下の研究を実施した.これらの知見から奥行き注意特性についての新たな知見が導出された.すなわち,注意切り替えの異方性と知覚処理との関係に関するものである. 1.注意のトップダウン制御に関する研究 これまでの研究ではトップダウン手がかりとしてターゲットが提示に関する遠近情報を与え,その結果をターゲット提示に関する絶対位置情報を与えるボトムアップ手がかりからの結果と比較した.その場合,トップダウン手がかりとボトムアップ手がかりには手がかりとしての意味が異なる可能性がある.そこで,実際のターゲット提示についての絶対位置情報をトップダウン手がかりによって与えた.結果,注意切り替えにおける異方性に関してその原因は注意の移動速度ではなく,注意の切り替えそのものにあることが示唆された.また,観察者が動態であるのか静態であるのかについて,静態時よりも動態時に切り替え異方性が大きくなることが示された. さらに,課題をこれまでの刺激の空間的位置が影響し得る遠近判断ではなく,注意特性が顕著に示されると考えられるターゲットの弁別課題によって検討した. 2.注意と奥行き知覚の関係に関する研究 奥行き知覚と距離知覚を比較した場合,奥行き知覚の優位性の原因としては空間表象の記憶形成が考えられる.そこで,奥行き判断時に固視点を試行中提示したままにした上で実験を行なった.結果,いずれの条件でも距離知覚との比較において大きな違いは見られず,注意と奥行き知覚の関係に空間表象の形成が影響しているのではないことを示唆しており,知覚処理によって注意配分が異なることが示唆された.さらに,刺激の提示時間が結果に影響を及ぼすことを検討するためにターゲットの提示位置に関する手がかりの提示時間を操作して実験を行なった.
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