Project/Area Number |
02J04835
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 宗 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | アクチン / ミオシン / スペクトル / アクチンフィラメント / 1分子操作技術 / レーザートラップ / 回転 / モーター / 軌道 |
Research Abstract |
本研究の目的は、F-アクチンの機能を考慮にいれて新しいモデルを提示するために「ミオシン分子がF-アクチンのらせん構造のどの部分を移動するのか」、「これに伴うF-アクチン内部の構造が時間的・空間的にどのように変化するか」の二点を明らかにすることである。 今年度の研究の成果は、上記目的の後半部分に関するものである(前半部分に関しては前年の実績報告書に記載)。まずF-アクチンの動的構造変化を1分子レベルでモニタするために、タンパク質の構造変化などに敏感な蛍光プローブが必要である。数十種類にのぼる蛍光色素をそれぞれF-アクチンに導入、ミオシンとATPの有無における吸収・発光スペクトルの変化を蛍光分光測定装置で計測したところ、わずか2種類に絞られる結果となった。これらのスペクトル変化も非常にわずかなものであったが、1蛍光色素の大きな変化が時間平均された結果である可能性も高い。そこで、これらのF-アクチンがミオシンと相互作用する際にスペクトル変化を示すか否か、蛍光顕微鏡下1分子レベルで確認する系を構築し計測を行ったが、蛍光像のビデオ解析からは有意なスペクトル変化を検出できなかった。溶液系で得られたスペクトル変化は、各蛍光色素分子の極微小変化の単純な積算の結果であったと予想される。 通常、1分子計測に求められる蛍光色素の特性は量子収率が高くスペクトル変化しないことである。したがって、1分子計測に耐えうる量子収率をもち、かつ環境に応じてスペクトル変化する色素の検索は前例のない試みであった。今回、目的の色素の発見には至らなかったが、新しく開発した実験系やノウハウを生かし、引き続き色素のスクリーニングを行う予定である。
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