新規プロテインキナーゼSIKによるcAMP/PKAシグナル伝達の時間制御機構
Project/Area Number |
02J04978
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀家 なな緒 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | AMPK / CRE / C / EBP / PKA / インスリン / IRS-1 / 脂肪細胞 / 二型糖尿病 / 脂肪組織 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
細胞特異的に発現するタンパク質リン酸化酵素(SIK2)の単離に成功した。初めに副腎皮質から単離されたSIK(以下SIK1)とSIK2と名付けた。以下に「脂肪組織に特異的に発現するSIK2」の解析結果を示す。 1)SIK2は脂肪組織に特異的に発現していた。SIK2はグルココルチコイドやインスリン刺激後、1時間以内に誘導された。 2)SIK2はCRE-CREBを介する遺伝子の発現を制御した。 3)2型糖尿病マウス(db/db)の白色脂肪組織においてSIK2のmRNA発現量は増大しており、酵素活性は亢進していた。反対に、褐色脂肪組織においてSIK2mRNA発現量は減少していた。一方、驚くべきことに、SIK1のmRNAが2型糖尿病マウスの褐色脂肪組織、肝臓、筋肉組織で、正常マウスに比べて顕著に増加していた。この結果から2型糖尿病において、白色脂肪細胞ではSIK2が、褐色脂肪組織、肝臓、筋肉組織ではSIK1が関与していると示唆された。 4)インスリン受容体基質(IRS)はインスリン受容体に結合してチロシンリン酸化され、インスリン作用を下流に伝達する基点となる重要な分子である。SIK2はIRS-1の789番目のセリンを特異的にリン酸化した。 5)SIK2の変異体解析から、キナーゼ活性欠損SIK2は野生型とは反対にcAMP/CREBシグナルを増強することが明らかとなった。興味深いことに、内因性のSIK2活性が存在しない細胞でも活性欠損変異体SIK2はCREB活性を増強した。脂肪細胞でのcAMP/CREBシグナル不全が肥満の1つの原因であることから、脂肪細胞において、SIK2により、cAMP/CREBシグナル系が十分に活性化された場合、脂肪の分解・燃焼効果が発揮され肥満や糖尿病の解消につながることが期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)