Project/Area Number |
02J05342
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
蚕糸・昆虫利用学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 泰弘 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | BmNPV / AcMNPV / Sf9細胞 / 宿主特異性決定機構 / 侵入 / VP39 / GP64 / 出芽ウイルス / 膜融合タンパク質GP64 |
Research Abstract |
本研究は核多角体病ウイルスの宿主特異性決定機構の解明を目的として、昆虫培養細胞の一種であるSf9細胞へのカイコ核多角体病ウイルス(BmNPV)の感染特性について調査した。 これまでの研究によりBmNPVのSf9細胞への感染はウイルスの遺伝子発現以前に抑制されることが明らかとなっている。昨年度ではウイルス接種直後のウイルス膜タンパク質の細胞内局在性を調査し、ウイルス粒子が細胞内へと取り込まれていることを示した。本年度はさらにヌクレオキャプシドが核内へ侵入しているか否かを明らかにする目的で、主要構成タンパク質であるVP39の細胞内局在性を調査した。その結果、BmNPVのVP39はSf9細胞の核内でわずかにしか検出されなかった。Sf9細胞内で増殖可能であるAcMNPVの感染では、核内にVP39のシグナルが多量に検出されたことから、BmNPV感染はヌクレオキャプシドが核へと侵入する以前に抑制されると結論した。 また昨年度に引き続き、Sf9細胞でのBmNPVの増殖を可能にする遺伝子の探索をAcMNPVゲノム中より行った。二次感染が生じるか否かに基づき増殖促進能を持つ配列の探索をしたところ、異なった二つのAcMNPVゲノム断片を同時に導入したSf9細胞でのみBmNPVの二次感染が確認された。このことはBmNPVをSf9細胞内で増殖させるために複数の遺伝子の関与が必要であることを示している。また一方の断片中にウイルスの侵入に深く関与する膜融合タンパク質GP64がコードされていたため、AcMNPVとBmNPVそれぞれのGP64タンパク質の膜融合能を比較した結果、BmNPVが持つGP64の膜融合能が著しく弱いことが明らかとなった。 現在はgp64遺伝子の組換えによってBmNPVがSf9細胞の核内へ侵入可能となるか、またBmNPVの感染停止が膜融合段階で生じているかを調査している。
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