Project/Area Number |
02J05357
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊澤 栄一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ventral striatum / impulsiveness / basal ganglia / dopamine / temporal proximity / avian / chick / bird / reinforcement learning |
Research Abstract |
平成15年度、本研究は、ニワトリ雛鳥の大脳基底核LPOのニューロンが、予期される報酬の「時間的近さ(遅延)」を符号化していることを明らかにした。 昨年度、二者択一局面において、LPO破壊が衝動的選択を引き起こすことを報告した。具体的には、LPOを破壊された雛鳥は、得られる餌の量によらず、直ちに得られる餌ばかりを選択するようになった。このことは、LPOが報酬の「時間的近さ(遅延)」の予期に基づき、選択行動を制御していることを示唆する。そこで、LPOの単一ニューロン活動記録を行い、実際に「報酬の遅延の予期」を符号化しているかを検証した。 以下に本年度の実験概要と結果を述べる。 (1)3種の色手がかりに、「遅延」と「量」が異なる3つの報酬条件を連合させ、雛鳥に弁別学習させた。各色手がかりの総当りによる二者択一テストの結果、雛鳥の報酬に対する価値は「直ちに得られる大報酬」>「直ちに得られる小報酬」>「遅れて得られる大報酬」の順位であった。 (2)色手がかり提示後、一定遅延の後に現れる餌を与えなかったとき、雛が何秒間待ち続けるかを計測した。結果、雛鳥の待ち時間は、報酬の価値ではなく、遅延の長さに相関していた。 (1)(2)より、雛は色手がかりから予期される「報酬の価値」から餌を選択し、予期される「遅延」から待ち時間を決めることがわかった。 (3)色手がかり提示時のLPOニューロンの活動を解析した。結果、手がかり提示直後、短潜時(500ms以内)で応答するニューロン、及び、手がかり提示期、遅延期、餌の出現にかけて応答し続けるニューロンが見出された。特に前者には、予期される「遅延」、予期される「餌の量」に相関した応答を示すという2種のニューロンが存在した。 以上より、LPOが、餌の「時間的近さ(遅延)」の予期に基づき行動を制御することが、単一ニューロンのレベルからも示された。以上をまとめた論文を現在作成中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)