Project/Area Number |
02J05491
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中務 邦雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 真核生物 / 小胞体 / マンノース / 品質管理機構 / タンパク質 / 糖鎖 |
Research Abstract |
真核生物の小胞体は、分泌タンパク質や中央空胞系オルガネラの生合成の場となっている。小胞体にはタンパク質の品質管理機構が存在し、正しい高次構造を形成した正常タンパク質のみをゴルジ以降へ送り出し、正しい高次構造を形成できなかった異常タンパク質は分泌することなく小胞体に留める。異常タンパク質の蓄積は細胞生存にとって害悪である。小胞体には、異常タンパク質をサイトゾルへ送り返し分解、除去する系(ERAD:Endoplasmic Reticulum Associated Degradation)と、分子シャペロンを発現させることによって異常タンパク質の凝集体形成を防ぐ系(Unfolded Protein Response)が存在し、異常タンパク質の蓄積という危機的状況に対処している。 我々はこれまでに、in vitro、in vivoの実験から、2種類のモデル異常タンパク質(pαFの変異体と糸状菌由来プロテアーゼの変異体)が分解されずに小胞体内に蓄積した場合、O型糖鎖付加を受けて可溶性となること、さらに可溶性となった異常タンパク質の一部は品質管理機構による小胞体内への滞留を免れ、細胞外へ分泌されうることを見出していた。平成15年度はこの現象の生理的意義について検討した。分解系とO型糖鎖付加に関与する遺伝子の二重破壊酵母株は、恒常的にUnfolded Protein Responseが亢進されており、異常タンパク質の蓄積にも感受性を示した。さらに、蛍光抗体法による顕微鏡観察から、この二重破壊株の中で異常タンパク質が大きな凝集体を形成していることが示唆されるデータを得た。これらの結果から、O結合型糖鎖付加は異常タンパク質が蓄積することによって引き起こされるストレスから細胞を守る役割をもつことが示唆された。 これらの結果を学位論文としてまとめ、平成16年1月に学位を取得した。また、第56回日本細胞生物学会大会のワークショップ、第76回日本生化学会大会のポスター討論会で発表を行った。
|