Project/Area Number |
02J05859
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
砂月 幸成 岡山大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 双安定性 / キラリティー / 水素結合 / 混合原子価化合物 / スピンクロスオーバー |
Research Abstract |
イミダゾール基を含む三脚型配位子の鉄錯体[Fe^<II>H_3L]^<2+>の硝酸塩に1.5等量のアルカリを加え、組成式[Fe^<II>H_3L][Fe^<III>L](NO_3)_2をもつ化合物を得た。このものは、原料の2価プロトン化錯体[Fe^<II>H_3L](NO_3)_2と、イミダゾールプロトンがすべて解離し、さらに空気酸化された3価脱プロトン化錯体[Fe^<III>L]が水素結合により連結した二次元層状構造をもつことを、295Kおよび100KにおけるX線結晶解析により明らかにした。二つの温度での結合拒離の違いからこの化合物は鉄(II)サイトがスピンクロスオーバーを示すことが示唆された。磁化率の温度変化の測定から、この化合物はサンプルを急冷すると5〜100Kの温度範囲で凍結効果を示し、引き続いて100〜200Kの温度範囲で鉄(II)サイトが二段階でスピンクロスオーバーし、サンプルを徐々に冷却した場合には160K付近で鉄(II)サイトが一段階での急激なスピンクロスオーバーを示すことが明らかになった。また200K以上の温度範囲では鉄(III)サイトの緩やかなスピンクロスオーバー挙動が観測された。この挙動はメスバウアースペクトル、ESRスペクトルの測定からも確認された。また、5Kにおいてサンプルに500nmの光を照射すると磁化の増大が観測され、光誘起スピン励起状態トラッピング(LIESST)現象が観測された。この光誘起スピン励起状態は80〜100Kの温度範囲で急速に熱緩和された。また、この化合物はCDスペクトルを示し、自然分晶していることも明らかになった。 以上の結果は、Angewandte Chemieに投稿し、まもなく掲載される予定である。また、BF_4塩の系について、原料錯体などの関連化合物の性質も含めたFull paperの論文を投稿準備中である。
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