労働市場自由化と経済成長 -動学的CGEアプローチ-
Project/Area Number |
02J06123
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
経済政策(含経済事情)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河上 哲 筑波大学, 社会工学研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 労働市場自由化 / 貿易自由化 / CGEアプローチ / 動学的CGEモデル / 成長回帰分析 / 経済成長 / 中国 |
Research Abstract |
地域間人口移動、特に都市農村間の移動は、一国の経済成長を論ずる上で、農業と工業・サービス業の間の労働配分や生産性とも関係して、その分析が不可欠である。伝統的な二重経済発展論において議論されるように、生産性の低い農村から、高い都市への労働力の再配分により経済成長が達成される。特にこの観点に注目し、都市農村間人口移動が政策的に制限されてきた中国を研究対象地域として研究を進めた。分析アプローチとしては、家計、産業、政府、海外等の各部門における構造的な効果・影響を評価できるCGE(Computable General Equilibrium)アプローチを採用した。本年度では、昨年度までに構築された比較静学モデルを、労働力の増大や資本蓄積過程を考慮に入れた動学モデルへと高度化させ、長期均衡経路途中に必要な投資拡大や人口移動のスピード等の移行・発展過程にも着目しながら、改めて労働・資本市場自由化や貿易自由化のシミュレーション分析を行った。そこでは、静学モデルによる分析結果と比較し、生産要素を効率的に用いる製造業等の今後有望視される産業が一層成長する一方で、交通部門等の資本生産性が低い産業の生産が大幅に縮小することが実証された。また新古典派成長理論にもとづく成長回帰分析により、改革・開放以降の経済成長の要因が、農村部の発展から東部沿岸都市部の発展を中心とした要因にシフトしており、また定常状態へ向けた収束スピードが加速していることが実証された。その中で、改めて経済成長に対する労働力移動の重要性が高まっていることが確認された。さらにCGEアプローチへの貢献として、CGEモデル構築の基本データベースとして不可欠な産業連関表について、特に市町村等の小地域産業連関表の作成と応用に関する研究を行った。研究成果は、環太平洋産業連関分析学会(於熱海)において報告し、国内外の学術雑誌に発表した。また、一連の中国研究の成果を博士学位論文としてまとめた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)