非局在型ケイ素π電子系カチオン、ラジカル及びアニオン種の合成及び物性に関する研究
Project/Area Number |
02J06210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松野 忠宏 筑波大学, 化学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 有機ケイ素化合物 / ケイ素π電子系化合物 / ビシクロ化合物 / 光化学反応 / 異性化反応 / 小員環化合物 / アルカリ金属 / 酸化還元反応系 / シリルアニオン / シリルカチオン / シリルラジカル |
Research Abstract |
有機ケイ素化学において、その光反応は新規化合物の合成法として用いられているのみならず、反応機構論を展開する上で幅広く研究が行われている。これまで本研究では、シクロプロペンのケイ素類縁体であるシクロトリシレンとフェニルアセチレンの反応によって、五員環骨格内にC=C二重結合Si=Si二重結合を有するシクロペンタジエン高周期類縁体を中間体として経由して、ビシクロ[3.2.0]骨格を有する二環式化合物が生成することを見出している。1,2,5-トリシラビシクロ[3.2.0]ヘプタ-3,6-ジエン誘導体は、四員環と五員環が光に対して反応活性なSi-Si結合を介して縮環していとから、その光反応性に非常に興味が持たれる。予想可能な反応としては、四員環部分でのレトロ[2+2]環化付加反応が挙げられ、この反応が進行した場合1,2,3-トリシラシクロペンタジエンが生成することが期待される。 1,2,5-トリシラビシクロ[3.2.0]ヘプタ-3,6-ジエン誘導体の重ベンゼン溶液に320nm以上の光を照射し、^1H NMRスペクトルを用いて反応追跡を行ったところ、原料のシグナルは約6時間で消失し、新たなシグナルが観測された。各種NMRスペクトル及びX線結晶構造解析の結果から、この反応では予想されたレトロ【2+2】環化付加反応は進行せず、光異性化反応が進行し1,4,7-トリシラビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン誘導体が生成していることを明らかにした。重水素ラベルによる実験結果から、この異性化反応は置換基であるシリル基の転移を伴っておらず、ビシクロ骨格の協奏的な組み換えによって進行していることを明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)