文章理解のオンライン処理過程における自動的処理成分と制御的処理成分
Project/Area Number |
02J06303
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井関 龍太 筑波大学, 大学院・心理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | オンライン推論 / 照応解決 / テキスト理解 / 状況モデル / プライミング / 整合性 / アクセス可能性 / 活性化ユニット / 意味記憶 |
Research Abstract |
テキストを読んで理解する際には,無意図的かつ即時的に様々な心的活動が行われている。このような心的過程をオンラインの処理過程と呼ぶ。本研究では,オンライン処理過程の中でも,意味記憶情報とエピソード記憶情報へのアクセス過程について検討した。テキスト理解の事態における意味記憶とは読み手の既有知識を指す。同様に,エピソード記憶はテキストの以前に読んだ部分から得られた(先行テキスト情報)を指す。テキスト理解過程は,既有知識を利用しながら入力情報を意味づけ,さらに先行テキスト情報と統合していく過程として捉えることができる。一連のプライミング実験から意味記憶情報へのアクセスは命題を単位として行われることが明らかになった。このことは,入力情報の意味を捉えるテキスト表象を構築することにおいて,命題レベルでの操作が重要であることを示している。また,これまでは異なるタイプの処理であると考えられていた処理が活性化の観点から一次元的に捉えられることが示された。すなわち,テキスト表象の構築に必須であるとされる処理と選択的であるとされた処理は,表象構築に必須であるか否かによって特徴づけられるのではなく,テキスト中に処理に必要な手がかりがどの程度含まれるかに依存することが明らかになった。このことは,読み手の意図的選択による合目的性ではなく,テキストに述べられた情報から生じる結果としての合目的性が働いていることを意味している。さらに,エピソード記憶情報へのアクセスは,先行情報の参照を促す手がかりを変更することによって,そのアクセス単位を変える可能性が示唆された。このことは,同一の対象に言及する複数の表現の意味解釈の違いの基盤をなすものとして解釈することができる。これらの知見は,テキスト理解時にオンラインで生じる処理過程を活性化制御の観点から統一的に記述するための基礎となると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)