イタリアにおける歴史的建造物の転用活用に関する研究
Project/Area Number |
02J06387
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Architectural history/design
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 哲也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ミラノ / 歴史的建造物 / 中庭 / 保存再生 / 空間構成 / 用途 / 街路 / 都市 / 公的用途 / 保存活用 / 転用 / 修道院建築 / 適応性 / 動線的階層性 / イタリア / 活用 / 再生 |
Research Abstract |
本研究は、イタリアを対象に、価値ある歴史的建造物が現代社会の中で如何に有効活用していくことができるか、その在り方と可能性を明らかにすることを目的としている。これまでのミラノ市所有の歴史的建造物、修道院建築を対象にした研究成果に基づき、本年度は、歴史的中心地区内における街区単位の歴史的建造物に着目した。特に、個々の歴史的建造物は中庭型の構成を持ち、その中庭空間が、保存されている建築物と人々の現代生活とのギャップを埋める緩衝領域として、空間的に対応していると考えた。そこで、中庭空間の空間形態と規模、そこで生じている用途、中庭空間に施されている構成要素とその配置、また中庭空間と街路との接続関係について調査分析した。その結果、最終的に完結型空間利用と開放的空間利用の2つの空間利用の方向性を導き出した。完結型空間利用は、街路から中庭への導入部に柵などの境界を設け、中庭全体にガラスの屋根を架けたり、ポルティコ部分を室内化、または観賞用の中庭にするなどして、中庭空間を閉鎖的にしつらえている。これは、教育や業務、展示といった特定多数利用者向けの用途に使われており、大小各種規模の中庭空間に確認できた。また、開放的空間利用は、主に小規模な中庭で街路に対して比較的開放性をもち、部分的な庇や正面壁をショーウィンドウとするなど、街路から人々を導入するための方向性が中庭空間の構成にも強く表れている。これらは、主に店舗や飲食店といった不特定多数の利用者を対象にした用途に使われており、複数の用途が併存するものも多く、街路の延長的性格を持った中庭の利用方法といえる。以上の結果から、強い保存規制を受けている歴史的建造物においても、中庭空間が街路を通じて都市との関係性に多様性をもつことで、現代的な用途を受け入れ、都市全体の活動を維持することを可能としていることが分かった。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)