二重トンネル接合における導電性有機分子の電気伝導機構の解明
Project/Area Number |
02J06612
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野口 裕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 分子素子 / 二重トンネル雪濠 / クーロンステアケース / ケルビン法 / 界面空間電荷 / 二重トンネル接合 / C60 / ポリイミド / スピンコート |
Research Abstract |
分子素子への応用を念頭において、積層型二重トンネル接合における孤立した導電性有機分子の電気伝導特性の解明を目的とし、研究を行った。本年度は、本研究において発見された光照射によるクーロンステアケースのしきい値変化(光誘起ゲート効果)について、その原因を実験的に解明することを試みた。昨年までに、二重トンネル接合の微小中間電極周辺に存在する空間電荷が、その電気伝導に与える影響について、解析的に明らかにすることに成功していたが、実験的な裏づけは薄弱であった。そこで、膜中の空間電荷分布を知ることができるケルビン法を用いて、16K程度の低温における表面電位特性の光照射依存性の測定を行った。また、温度依存性の測定も同様にして行い、空間電荷の振る舞いと二重トンネル接合の電気伝導特性との関係を検討した。 金属と有機膜が接触すると、その界面数nmの領域で電荷の授受が行われ、結果、空間電荷層が形成される。ケルビン法はその帯電電位を知る測定法である。本研究では、絶縁層として用いたポリイミド(PI)薄膜とAuもしくはAlとの接触電位を、光誘起ゲート効果の波長依存性、照射時間依存性に着目して、低温(16K)で測定した。その結果、ケルビン法で測定された金属電極上ポリイミド膜の表面電位特性は、光誘起ゲート効果のそれとよく一致し、この効果が微小中間電極周辺の界面空間電荷分布の変化によりもたらされたことが確認された。温度特性(16〜300K)からも、空間電荷分布の挙動と有機二重トンネル接合における電気伝導特性はよく一致する結果を得ており、有機薄膜を用いた単一分子計測、もしくは分子素子の電気伝導に界面空間電荷を考慮することの重要性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)