Project/Area Number |
02J06675
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森田 真規子 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超伝導絶縁体転移 / ボルテックスグラス / 量子ゆらぎ / 乱れ / 次元性 / アモルファス薄膜 / 第II種超伝導体 / 混合状態 / 磁束グラス |
Research Abstract |
典型的な第II種超伝導体と見なせるアモルファスMo_xSi_<1-x>超伝導膜の極低温におけるボルテックス状態を、乱れおよび次元性の効果を含めて明らかにすることを目指した。3次元膜では、絶対零度における量子磁束液体(QVL)相が、乱れ(常伝導抵抗率ρ_n)を増大させるとρ_nに比例して磁場・温度軸両方向に増大することを明らかにした。さらに、乱れを一定に保ったまま膜厚を減少させることによってQVL相を含む液体相の割合が広がることを明らかにした。これらの結果は、「乱れ(ρ_n)および2次元性が量子ゆらぎを強めQVL領域を拡大させる」という描像と一致する。 2次元膜については、最低温(T=0.05K)で微小抵抗測定を行った結果、ある範囲の垂直磁場中でT→0において非常に小さいがゼロではない抵抗が残ることを見出し、これを2次元ボルテックスグラス(VG)固体中に存在するごく少数のボルテックス(または欠陥)の量子クリープによるものと解釈した。ただしこの状態は、他のグループが主張している多数のボルテックスの量子的運動に起因する高抵抗の金属的QVL相とは異なること、すなわち超伝導絶縁体(SI)転移の描像を壊すものではないことがわかった。さらに、同一試料基板上にストリップ形状と試料のエッジ効果を排除できるコルビノディスク形状の電極配置をもつ試料を用いて磁場誘起SI転移の比較実験を行った。電極形状によらず磁場中の電気抵抗は最低温までアレニウス型によく乗った。この結果は、我々のアモルファス薄膜ではエッジのピニング効果は無視できること、したがって、これまでの実験結果が確かに試料内部のボルテックス状態を見たものであり、磁場誘起SI転移を示す実験結果とその解釈は正しかったことを証明するものである。 以上得られたすべてのデータは、3次元および2次元VG転移、あるいは2次元SI転移の描像とコンシステントであることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)