Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
昨年度確立した流体包有物中メタンガスの同位体分析法を用い、本年度は太古代熱水岩脈中試料の分析を行った。その結果、35億年前の海底を循環した熱水中にメタンガスが存在し、それらは有機物の熱分解過程とメタン生成菌活動の二つの起源を有することを示した。この結果は約35億年当時、メタン生成菌が活動したことを示す世界初の証拠と考えられる。その成果は今夏行われた進化学会にて公表された。さらに太古代硫化鉱物の硫黄同位体分析のために抽出した硫黄試料については、カーネギー研究機構において分析を行い、約35億年前の熱水岩脈および熱水性堆積物試料が硫黄同位体比異常を有することを突き止めた。またこの同位体組成は大気・海洋由来の成分と熱水・マグマ起源の成分の混合によって決まることを示し、当時の硫黄循環を知る上で重要な知見を加える事が出来た。また、より34Sに乏しい黄鉄鉱が硫酸塩岩試料中に存在することを突き止めた。これは約35億年当時の硫酸還元菌活動を示唆するため、今後更に研究を発展させる必要がある。
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International Geology Review (印刷中)
Geochimica et Cosmochimica Acts 68
Pages: 573-589
Geochemical Journal 38
Pages: 243-254
月刊地球 26
Pages: 523-528
Pages: 517-522