Project/Area Number |
02J06899
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 磁場中2次元電子系 / 分数量子ホール効果 / 量子モンテカルロ法 / 負符号問題 / 有限温度 / 強磁場中2次元電子系 / 分数量子ホール系 / 強相関電子系 / 素励起 / 動力学 / 数値的研究 |
Research Abstract |
強磁場中の2次元電子系では、電子の運動エネルギーがランダウ量子化により離散化され、各エネルギー準位(ランダウ準位)には巨視的な数の縮退が生ずる。ランダウ準位充填率が整数でないとき、多電子基底状態は電子間の相互作用を取り入れて始めて一意に定まる。分数量子ホール効果に代表されるように、この系は電子間相互作用に起因する興味深い現象が見つかって、多くの関心を集めてきた。 強磁場中の2次元多電子系を理論的に調べる上で、有限サイズ系に対する数値計算は非常に有効である。筆者は強磁場中2次元電子系に対する量子モンテカルロ法の開発に携わってきた。量子モンテカルロ法は優れた手法であるにもかかわらず、いわゆる負符号問題がこの手法の安易な適用を阻んできた。筆者は、電子間クーロン相互作用からのずれが可能な限り小さくなるような、負符号問題のないモデルハミルトニアンを作り出すことに成功した。モデルハミルトニアンが必ずしもクーロン相互作用の性質を保っているとは言えないが、困難なく物理量が得られるようなモデルを作ったことは今後の研究の発展にとって重要である。この成果は今年度、出版論文として公表された。 対象としている2次元電子系で、近年、スピン自由度の人為的操作が注目されている。スピン自由度を含めた数値計算は、自由度の増大により必ずしも十分でない電子数に限られてきた。筆者の開発してきた量子モンテカルロ法をスピン自由度まで含んだ系に拡張することは容易である。また量子モンテカルロ法の利点の一つは有限温度の計算ができることである。有限温度に対する数値的研究は手法に乏しく、これまでにほとんどなされていない。筆者はこれらの観点から、磁場中2次元電子系の研究を進めている。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)