Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
農業経営者能力育成に必要なシステムとは,農業における人材育成制度である。人材育成については,各種学校が提供する教育も重要な役割を果たしてきたが,基本的には,個々の家族経営を主要な場としつつ,親子間継承という形をとりながら行われてきた。しかし,先進各国において農業経営者の高齢化が進行し,経営継承問題が表れてきたように,従来の方法では限界があることもまた事実であり,農業経営者となりうる人材の育成を個々の家族経営に「丸投げ」するのではなく,教育制度の充実などを通じ「標準化」していくことが,我が国だけでなく,先進国に共通して課された課題となっている。 以上の問題意識から,農業経営者能力が育成されるプロセスとして新規参入および経営継承に注目し,特に英国における現状を中心に分析を行った。新規参入制度については州政府農場制度に着目し,制度変革の内容とそれが新規参入者に与える影響について分析を行った(「英国における農業への新規参入の制度と課題」『農業経営研究』)。また,新規参入者がどのようなキャリアを農業で構築することができるか分析を行い,キャリアアップの過程で州政府農場からの退出を余儀なくされる新規参入者には,伝統的な大土地所有機関が貸し出す農場・農地を確保するという「つながっているが細い」キャリアパスのみが存在していることを明らかにした(「英国における農業キャリアパスの存立可能性」『農業経済研究』)。また,伝統的士地所有機関については,我が国にはなじみが薄いが農業キャリアパス構築に重要な役割を果たすことから別途調査を行い,その農場・農地貸し出しポリシーの分析を行った(「英国における伝統的土地所有機関の現代的役割」『2004年度日本農業経済学会論文集』)。
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