メソポタミア宗教文学と古代イスラエル宗教文学における個人の嘆きの祈りの比較研究
Project/Area Number |
02J07174
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高井 啓介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 書簡 / 古バビロニア時代 / letter-prayer / 神への請願の手紙 / エドゥッバ / バイリンガリズム / 個人の嘆きの祈り / contextual approach / シュメール文学 / アッカド文学 / 文脈的アプローチ / 詩篇 / 知恵文学 / 罪と苦しみ / 書簡文学 |
Research Abstract |
本年度は,次の諸点に注目して研究を実施し以下のような成果を得た。 1.本年度新たに開拓された視点として,シュメール語とアッカド語の両言語を併用して記された書簡のメソポタミア文学史上の位置づけの問題がある。これに関しては,まず古バビロニア時代にバイリンガルで記された「神への請願の手紙」を分類した。またその種の書簡の同時代文学史における位置づけを明確にするためにはマリにおいて記された書簡が有効であるとの視点から詳細な分析を試み,その書簡のバイリンガリズムが特殊な位置を占めているとの感触を得たので,その成果をオリエント学会2004年度学術大会において口頭で発表した。 2.それと並行してシュメール語書簡との相違点を意識しながらアッカド語書簡の意味づけを検討した成果は,オリエント学会機関紙「オリエント」2005年3月号に掲載を認められ、現在出版を待っているところである。そこでは,シュメール語とアッカド語の「神への請願の手紙」には,書簡の形式的枠組みはそれぞれの言語伝統における文学様式を明確に踏襲しながらも,苦境の描写,請願の内容,救済獲得の方策などには,シュメール語書簡とアッカド語書簡の間には否定されざる類似性があり,またその背後には両者の接触の可能性があるとの確信を得た。 3.最後に,シュメール語とアッカド語書簡に接触の可能性の道筋が開かれたことを受けて、それらのテキストと旧約詩篇の「個人の嘆きの祈り」との関係について様々に提案されている視点を消化し,それらを批判的に検討することに力を注いだ。 また,本年度も外国旅費を使用することにより米国イェール大学中近東言語文化学科付属のバビロニアン・コレクションにおいて所蔵の楔形粘土板一次資料を直接参考することが許された。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)