細胞運動におけるWASPファミリータンパク質の機能解析
Project/Area Number |
02J07281
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 英樹 東京大学, 医科学研究所, 助手
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 細胞運動 / 細胞骨格 / アクチン / 管腔形成 |
Research Abstract |
アクチン細胞骨格系は様々な細胞機能において重要な働きを担っている。特に細胞運動においては細胞外からの刺激に応じて動的に再構築される。運動している細胞の先端部には糸状仮足及び葉状仮足と呼ばれるアクチンフィラメントに富む構造が形成され、細胞はこれらを足場にして移動していく。このような構造を形成する分子メカニズムは長らく不明であったが、最近WASPファミリータンパク質が中心的な役割を果たしていることが明らかになった。WASPファミリータンパク質はWASP、N-WASP、WAVE1、2、3の5つの分子から構成されている。我々の研究室ではN-WASP及びWAVE1、2、3を同定し、これらの分子が細胞膜直下でアクチン重合を誘導することにより、N-WASPは糸状仮足形成を、WAVEは葉状仮足形成を制御することを明らかにしてきた。しかし、これらの分子がどのように細胞運動に関わっているか全く不明であった。 我々は細胞運動におけるN-WASPの機能を明らかにするため、腎尿細管上皮MDCK細胞の管腔形成に着目して実験を行った。MDCK細胞はコラーゲンゲル中で3次元培養を行うと、肝細胞増殖因子(HGF)依存的に細胞が遊走し、管腔形成が誘導されるが、アクチン結合能を欠く変異型N-WASPの過剰発現によりこの管腔形成が抑制された。また、変異型N-WASPを発現する細胞においてHGFによる細胞走化性とコラーゲンゲルへの浸潤能が低下していた。従って、N-WASPは細胞走化性、浸潤性を制御し、上皮細胞の管腔形成に必須な分子であることが示された。これは、N-WASPが細胞運動、浸潤及び形態形成に関与していることを初めて示した結果であり、極めて重要な成果であるといえる。
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Report
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Research Products
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