ブレインモデルの構築とその宇宙論的な観測可能性について
Project/Area Number |
02J07475
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 和哉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ブレーン / インフレーション / 宇宙定数 / 重力波 / ブレイン / 宇宙論的摂動 / 宇宙背景輻射 / Dブレイン |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ブレーン宇宙における宇宙論的摂動の振る舞いをしらべ、宇宙論的観測からブレーン宇宙モデルを検証する基礎を与える研究を行った。特に初期宇宙における揺らぎの生成に対する、余剰次元の影響を解析的に調べた。その解析によると、インフレーションが高エネルギーに起こった場合、揺らぎの生成は余剰次元に伝播する重力波の影響を強く受けることが示された。この結果は、今まで行われてきた、4次元理論を単純に拡張した初期揺らぎのスペクトルの計算の正当性に疑問を投げかけるものである。余剰次元の影響を定量的に予言するためには、バルクの重力場と結合する、ブレーン上のインフラトン揺らぎを量子化する手法が不可欠になる。この解析に向けて、バルクの場に結合するブレーン上の場を記述する簡単なモデルを構築し、量子化の方法を探った。また、数値的に重力波の伝播を解析する研究も引き続き行った。高次元への重力波の伝播による、ブレーン上の重力波の進化に対する影響の初期条件依存性などを詳細に調べた。また今年度は、ブレーン宇宙モデルに基づくダークエネルギー問題にも取り組んだ。現在、宇宙の膨張は加速していることが分かっている。この加速膨張を、宇宙定数を導入することなく説明できるブレーン宇宙モデルに注目した。このブレーンモデルでは、ブレーン上にアインシュタイン・ヒルベルト作用が励起されることが仮定されている。この作用が、非対称なブレーンを持つモデルで、自然にブレーンに励起されることを示した。また、このモデルではスピン2の重力子が質量を持つことを示した。さらに、ブレーン上に宇宙定数があるとゴーストが現れ、時空が不安定になることが分かった。このことは宇宙定数問題に深い示唆を与えるものだと期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)