Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
葉緑体とミトコンドリアは,それぞれシアノバクテリアとアルファープロテオバクテリアの細胞内共生によって誕生したと考えられている.バクテリアと同様に,両細胞内小器官は分裂によって増殖するが,その過程は宿主細胞核によって制御されている. これまでの研究により葉緑体と原始的なミトコンドリアは、祖先であるバクテリアの分裂機構の一部と,細胞内共生後新たに加えられた機構の両方によって行われることがわかってきた(Miyagishima et al.,2003). 本年度はシアノバクテリアの分裂機構のどの程度が葉緑体に残っているのかを調べるために,シアノバクテリアの分裂に関わる遺伝子群を同定し,植物,藻類のゲノム情報と比較した.まず,すでに他のバクテリアで同定されている18の遺伝子のうち9の遺伝子(ftsE,ftsl,ftsQ,ftsZ,minC,minD,minE,sulA)がシアノバクテリアのゲノム中にも保存されていることがわかった.次に,トランスポゾン挿入により得られた細胞分裂変異体を解析した結果6つの新規細胞分裂遺伝子(cdv1,cdv2,cdv3,ftn2,ftn6,cikA)が同定された.データベース検索の結果,計24のシアノバクテリア分裂遺伝子のうち4つのみが植物,藻類のゲノムに保存されていることがわかった.これらの結果,シアノバクテリア分裂遺伝子の大部分は細胞内共生後に失われたことがわかった.
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