Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
昨年度に構築した森林バイオマス資源収穫システムは,プロセッサによる造材作業時に発生する末木や枝条などの林地残材を森林バイオマス資源と位置付け,粉砕,林内運搬および輸送工程より構成されるものである。昨年度の研究では,森林バイオマスの収穫に関する実際の林業地における現地実験をもとに,粉砕作業が行われる場所の違いによるコストおよびエネルギー収支を評価することにより,最適な低コスト収穫システムを検討した。 今年度は,まず上記システムに関する評価の精緻化を試みた。具体的には,大型チッパによる森林バイオマスの粉砕作業実験を行い,大型機械による作業について,コストの観点からの有効性を検証した。一方エネルギー収支については,森林バイオマスをエネルギー源とした発電システムに対してライフサイクルインベントリ(LCI)分析を行い,システム全体のライフサイクルの面から見ても,エネルギー生産システムとして十分成り立ち得ることを明らかにした。 次に,森林バイオマス資源収穫システムを地域へ実際に導入した場合の,1年間に利用可能な資源量と収穫コストの関係を導いた。すなわち,昨年度に収集・整備したモデル地域の森林簿データおよびGISデータをもとに,森林バイオマスの収穫コストを,森林の区画である小班ごとに求め,コストの安い小班から積み上げることにより求めた。ケーススタディにより,この関係が地域の森林整備計画の策定に資するものとなることを確認した。 最後に森林バイオマスの循環利用に関する基礎的な研究として,森林バイオマスの収穫に伴う林地からの養分収奪の問題について,東京大学秩父演習林内に設定した試験地において2年目の測定を実施した。枝葉の収穫に伴い土壌への養分供給量は減少するものの,土壌中には十分な量の養分が貯留されていることを確認した。また,葉を林地に戻し,枝のみを収穫可能な機械が有望であることが示唆された。
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