哺乳動物初期胚における細胞周期制御機構に関する研究
Project/Area Number |
02J07661
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩森 巨樹 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マウス初期胚 / RB / 細胞周期 / マイクロインジェクション |
Research Abstract |
本研究ではマウス初期発生過程における細胞周期制御機構、特に初期胚に特異的に見られるG1期の短縮に注目して、それを引き起こす分子機構を解明することを目的とした。前年度までの結果からS期進行に重要な因子であるRBが4細胞期から胚盤胞期初期まで発現していないことが示された。また、初期胚にRBを強制的に発現させると、ちょうど内在性RBの発現が消失する4細胞期の特にG1期において発生が停止する事が示された。今年度はこのG1期停止胚が体細胞で見られる生理的なG1期停止と同様であるかどうか検討した。初期胚に対してRBと共に、RBの活性を抑制する因子であるサイクリンD1を共発現させると、RB発現胚が4細胞期で発生停止するのに対し、RB/サイクリンD1共発現胚は4細胞期以降の桑実胚、胚盤胞にまで、対照胚と同程度に発生した。また、これらの胚でRBの下流にあたるE2Fの標的遺伝子の発現を調べたところ、RB発現胚ではそれらの発現が減少していたのに対し、RB/サイクリンD1共発現胚では回復している傾向が見られた。これはRBによって下流のシグナルが抑制され、サイクリンD1を共発現させることでRBが不活化されたことを示している。以上の結果から4細胞期のG1期で周期を停止していたRB発現胚は生理的かつ直接の上流因子であるサイクリンD1の発現により発生停止が解除されたこと、そしてE2F標的遺伝子群の発現でもその結果が支持されたことから、体細胞で見られる生理的なG1期停止と同様の機構であることが示された。本研究結果からZGA以降の初期胚発生で見られるG1期の短縮はRBの発現が減少することにより、S期進行シグナルが恒常的に活性化され、S期が早期に引き起こされるために引き起こされるという分子機構が強く示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)