電気伝導と低温STMによる一次元電子系の朝永―ラッティンジャー液体効果の検証
Project/Area Number |
02J07869
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 倫久 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 一次元電子系 / 朝永-ラッティンジャー液体 / 低温STM / クーロンドラッグ / ウィグナー結晶 / 局所状態密度 |
Research Abstract |
平成14年度に引き続き、主に低温STM実験を行った。まず、InAs:基板のへき開端面を超高真空中(<5×10^<-10>Torr)で観察し、最適なSTS観測条件を求めた。ノイズの低い条件(オペアンプの発振周波数から離れた条件)を探した後、InAs中にGaAsのアセチドットを層状に埋め込んだ基板のへき開面の低温STM観測を行った。このInAs基板には、400Å周期で、1モノレイヤのGaAsと2.3モノレイヤのGaAsを交互に成長している。InAs上に2モノレイヤ以上のGaAsを積むと、格子ひずみのためにアンチドットが形成され、このアンチドットの周りには電子の周回軌道ができるはずである。また、GaAsとInAsの界面には一次元的な電子状態が生じる。実験は、これらの低次元電子状態のSTS観測を目的にして行われたが、上記の電子状態を捉えることはできなかった。STM、STS観測によって電子間相互作用効果を確かめるためには、サンプルと探針を近づけて占有状熊を観測しなくてはならない。ところが、実際には探針がサンプルに与える電場の影響は非常に大きく、探針の直下に零次元状態が出現し、観測ではこの零次元電子状態しか捉えられなかった。また、磁場中では、安定した測定ができなかった。今後の課題としては、まず磁場中での安定した測定を可能にすることが挙げられる。また、一次元電子状態を研究するためには、InAs半導体ではなく、新しい系を考える必要があると思われる。 電気伝導実験に関しては、結合量子細線における細線間のトンネル電流測定により、低電子密度の量子細線では、運動量が良い量子数ではなくなることを見出した。また、ファーストプラトーの下では、電子の粒子的な振る舞いに起因すると思われるトンネル電流特性を観測した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)