スタンダールの「民族誌」:人間研究から文学的創造へ
Project/Area Number |
02J08042
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
仏語・仏文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨澤 玲子 (南 玲子) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | フランス:イタリア / 18・19世紀 / スタンダール / 文学 / 民族誌 / フランス:イタリア:ドイツ:イギリス |
Research Abstract |
平成15年度には、「民族誌」をめぐる社会科学、文学両分野の先行研究を集中的に参照することであらためて研究基盤を固めると同時に、スタンダールの文学的創造活動に「民族誌」が果たした役割についての考究を続行した。1.平成14年度末の口頭発表の内容が学会誌掲載のための審査に合格したことを受け、発表では割愛せざるを得なかった具体例や分析を復活させて研究の発展を図り、論文「プレジダン・ド・ブロス『イタリア書簡』の読者スタンダール-理想化された作家への「結晶」-」に再構成した。この機会にスタンダールの人間研究と紀行文との関係についての考察を深め、彼の青年期から晩年にかけての、人間研究の成果の表現方法に関する思考の変遷を把握した。2(1)大革命前後のフランスにおける人間研究、習俗研究の実態を当時の著作や最近の研究によって整理し、「民族誌家」スタンダールの時代性を考証した。(2)(1)の研究の一部を、論文「観察の旅と研究者-フランス民族学の黎明期-」として東京大学大学院総合文化研究科フランス語系学生論文集『レゾナンス』第2号に応募したところ、審査を経て掲載されることが決定した。(3)また(1)の研究から、民族学的研究の先駆者としてのヴォルネーがスタンダールに及ぼした影響に着目し、論考「スタンダールとヴォルネー」をまとめた。これは3月23日の第39回スタンダール研究会において、専門家の先生方を前に口頭で発表される予定である。3(1)スタンダールの「民族誌」の独自性を文学作品に探る目的で『イタリア年代記』と『パルムの僧院』を読み返し、彼の小説作法と「民族誌」的素材や形式との関係を考察して「民族誌家」的小説家スタンダールに関わる問題を整理した。(2)参考図書として購入したチェッリーニ『自伝』等により、スタンダールが『イタリア年代記』で描こうとした時代のイタリアやヨーロッパ世界の理解に努めた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)